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不動産売却と住み替えの注意点は?費用や進め方も紹介

住み替え

鵜飼 智司

筆者 鵜飼 智司

不動産キャリア28年

売買契約件数は、2000件以上で自分で言うのもなんですが、大ベテランです。過去の経験から大抵の問題には適切に対処できる自信があり、安心して取引していただけます。

住み替えをお考えの方にとって、不動産の売却は大きな決断となります。ただ家を「引っ越す」だけでなく、今の住まいを売り、新たな住まいを購入するという流れには、思わぬ落とし穴や見落としが潜んでいます。本記事では、住み替えの基本やスムーズな資金計画、さらに失敗しないスケジュール管理のコツまで、専門家の視点から分かりやすくご案内します。戸惑いや不安を解消し、理想の住み替えを実現したい方はぜひご一読ください。

住み替えの基本を理解する(売却と購入がセットになる住み替えとは)

住み替えとは、単なる引っ越しとは異なり、現在お住まいの住宅を売却し、新たに別の住宅を購入するという二つの手続きを伴う移転のことを言います。このため、「売り先行型」と「買い先行型」という二つの進め方が存在し、それぞれ特有のメリットと注意点があります。

「買い先行型」は、新居を先に購入してから現住居を売却する方法です。新居を探す時間的な余裕があり、仮住まいを用意せずに直接引っ越すことが可能というメリットがあります。一方で、売却代金が確定しないまま進めるため、資金計画が崩れたり、旧住居と新居のローンが重なる「ダブルローン」のリスクがある点に注意が必要です 。

「売り先行型」は、現住居を先に売却してから新居の購入に進む方法です。売却代金が分かってから購入計画を立てられるため、資金面での安全性が高く、無駄なローン負担を避けられる利点があります。ただし、売却後に住む場所を確保する必要があり、仮住まいにかかる費用や住環境の不便さがデメリットとなり得ます 。

どちらの進め方が良いかは、お金の余裕や住み替え時のスケジュール、資金計画の安定性など、ご自身の状況によって判断する必要があります。たとえば、売却資金に余裕がない場合は「売り先行型」が、引越し時期が決まっていたり住み替え先をじっくり探したい場合は「買い先行型」が向いているでしょう 。

進め方メリット注意点
買い先行型仮住まい不要、ゆっくり新居探し可能売却代金が不確定、ローン重複のリスク
売り先行型資金計画が立てやすい、ローン負担リスク低仮住まいが必要、引越し時期の調整が難

以上のように、「売り先行型」と「買い先行型」はそれぞれ異なる特徴があり、ご自身に有利な進め方を選ぶためには、冷静な判断と余裕ある計画が欠かせません。

資金計画と費用の注意点(売却・購入双方の費用を見落とさない)

住み替えを進める際には、売却と購入の両面で発生する費用をしっかり把握し、無理のない資金計画を立てることがたいへん重要です。まず売却時には、不動産会社に支払う仲介手数料、印紙税、登記関連の費用、住宅ローン残債の一括返済手数料、そして譲渡所得税などがかかります。仲介手数料は「売却価格 × 3% + 6万円 (税別)」が目安、印紙税は売買契約書の金額に応じて1~6万円、登記費用は抵当権抹消登記で1件あたり数千円~、司法書士への報酬は約2万円前後を見込むべきです。また、譲渡所得税の税率は、所有期間が5年以内で短期譲渡所得(約39.63%)、5年超で長期譲渡所得(約20.315%)となり、多くの場合で売却額に対して5〜7%の費用がかかります。これらを合算すると、売却時の諸費用は無視できない水準です。

次に購入時の費用としては、新居の購入価格のほかに、ローン契約に伴う手数料や保証料、融資印紙税など(数万円~融資額の1~2%)、仲介手数料、印紙税のほか、火災保険や地震保険などの保険料(火災保険で年1万~5万円、地震保険はその30〜50%程度)、さらに固定資産税・都市計画税の精算金(数万円〜数十万円程度)といった項目があります。住み替え全体で見ると、購入時にも多くのコストが発生するため、早めに見積りを取り、資金準備を進めることが肝心です。

さらに、節税制度の活用についても注意点があります。売却時には「3000万円特別控除」があり、譲渡所得から最大3000万円を控除できる一方で、新居購入時に利用する「住宅ローン控除」とは併用できません。同様に、「買い替えの特例」もこれらの制度と併用不可であるため、どの制度を選ぶかは資金状況や譲渡所得の額によって判断が必要です。なお、制度にはそれぞれ要件があり、適用には確定申告が必要です。

費用種別 主な項目 目安
売却時 仲介手数料、印紙税、登記費用、譲渡所得税 売却価格の約5〜7%
購入時 仲介手数料、印紙税、ローン手数料、保険料、税精算等 数万円〜数十万円+保険料など
節税制度 3000万円特別控除、住宅ローン控除、買い替え特例 併用不可、要申告・要要件確認

:スケジュール管理の注意点(売りと買いのタイミングをずらさないために)

住み替えの際は「現在の住まいをどう売却し、新居をいつ購入し入居するか」という二重の流れを調整する必要があり、特にスケジュール管理には最大限の注意が必要です。まず、売却にはおおむね数か月かかるケースが多く、余裕をもった計画が重要です。不測の事態にも対応できるよう、たとえば半年程度前から準備を始めると安心です。仮にスケジュールがずれてしまうと、仮住まい費用や二重ローンの負担が増えてしまう恐れがあります。金融機関との返済計画との整合性も保ちつつ、スケジュール調整を進めることが不可欠です。

進め方リスク対策
売り先行仮住まい期間が発生し、家賃等の負担増売却から新居契約までの期間を極力短く調整
買い先行二重ローンの発生および維持費の負担増売却の見通しが立つまで新居契約を控えるか、資金的余裕を持つ
同時進行調整が難しくスケジュールがタイトになりやすい引き渡し日や決済日の重複を狙って計画を綿密に立てる

このように、どの進め方にもそれぞれ特有のリスクが伴います。たとえば売り先行の場合は仮住まいによる出費、買い先行ではローンの二重支払いリスクが避けられません。これらを避けるには、引き渡し日と入居日が可能な限り近くなるよう、また仮住まいや二重ローンの負担を最小限にできるよう、スケジュールを調整することが肝要です。

さらに、スムーズな引き渡しに向けては書類や手続きの準備も前倒しで進めてください。登記書類やローン契約書類など必要書類のチェックリストを作成し、早めの準備を心がけることでトラブルを未然に防げます。また、仮住まいを利用する場合は賃料や敷金礼金の費用も事前に把握し、資金計画に余裕をもたせておくことが安心です。

信頼できるパートナー選びの注意点(自身に合った業者選びが鍵)

住み替えでは、売却と購入を同一の不動産会社に依頼すると、相談窓口が一本化でき、進行の手間を大きく軽減できます。売却と購入のスケジュール調整や資料提出が一度で済む点も、負担を減らす大きなメリットです。

また、「買取保証」や「住み替えローン」といった住み替えに特化した制度を活用しやすくなるのも、大きな利点です。同じ業者に依頼することで、売却の期限や条件を新居の購入資金計画と合わせて調整しやすくなります。

ただし、業者選びには注意も必要です。特に、売却先と購入先の地域が異なる場合、その両方の地域に精通している業者でなければ、サポートが行き届かない可能性があります。信頼できる業者であっても、得意エリアが限られていることがありますので、特に遠方への住み替えを検討される方は、得意なエリアを確認することが重要です。

さらに、「担当者の見極め」も欠かせません。大手であっても経験の浅い担当者では、住み替えのようにタイミング調整が求められる取引では対応が難しくなることがあります。一方、地域に詳しく、住み替え経験のある担当者であれば、より安心して進められます。

選び方のポイント内容理由
売却と購入を同一会社で窓口一本化・制度活用が容易相談やスケジュール管理がスムーズ
地域対応力の確認売却地と購入地の両方に詳しいか遠方への住み替えでも安心
担当者の経験住み替え実績のある担当者かスケジュール調整や進行管理が安心

まとめ

住み替えを目的とした不動産の売却は、資金計画やスケジュール管理、そして信頼できるパートナー選びが大切です。売却と購入が同時に進む中で、費用の見落としや日程のずれが大きな負担となることもあります。各種特例制度の利用条件にも注意が必要ですので、準備は慎重に行いましょう。安心して新生活を始めるためにも、ご自身に合ったサポートを受けながら進めていくことをおすすめいたします。又鵜飼不動産では購入を先行したい方や、売却も購入も同時に進めたい方向けに買取保証付き仲介も取り扱っておりますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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