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不動産名義変更や住所変更の義務とは?相続手続きで注意すべき流れをご紹介

不動産売却

鵜飼 智司

筆者 鵜飼 智司

不動産キャリア32年

売買契約件数は、2000件以上で自分で言うのもなんですが、大ベテランです。過去の経験から大抵の問題には適切に対処できる自信があり、安心して取引していただけます。

不動産を相続する予定がある方へ、相続による名義変更や住所変更には、どのような義務があるかご存じでしょうか。不動産の登記情報が正しくないと、将来的な売却や新たな相続、また各種手続きの際に思わぬトラブルとなることもあります。本記事では、相続による不動産名義変更と住所変更について、期限や手続きに関する最新の義務、その罰則や必要書類、注意点まで分かりやすく解説します。大切な資産をしっかり守る第一歩として、ぜひ最後までお読みください。

相続する予定の不動産において、名義変更と住所変更の義務とは

相続によって不動産を取得した場合、まず「相続登記」は法律により義務化されており、「相続の開始」と「その不動産を取得したこと」を知った日から3年以内に所有権移転登記を申請しなければなりません。これは令和6年(2024年)4月1日から施行されました。正当な理由がないにもかかわらず期限を過ぎると、10万円以下の過料が科される可能性があります 。

また、氏名や住所に変更があったときは「住所等変更登記」が義務付けられます。変更後の住所等に基づき、変更から2年以内に登記申請を行わなければなりません。この義務化は令和8年(2026年)4月1日から開始され、期限内に手続きを怠ると5万円以下の過料が科される可能性があります 。

さらに、これらの義務化は施行前の事由にもさかのぼって適用されます。相続登記の場合は、施行前の相続でも原則として「施行日(2024年4月1日)から3年以内」、つまり令和9年(2027年)3月31日までに登記申請を行う必要があります 。同様に、住所変更登記も、施行前の住所変更については施行日(2026年4月1日)から2年以内、すなわち令和10年(2028年)3月31日までに対応が必要です 。

登記の種類義務の起点義務の期限
相続登記取得を知った日または令和6年4月1日3年以内(施行前相続は2027年3月31日まで)
住所等変更登記変更日または令和8年4月1日2年以内(施行前の変更は2028年3月31日まで)
過料の上限相続登記:10万円以下、住所変更:5万円以下

相続登記と住所変更登記、それぞれの期限と過料(罰則)の概要

まず相続登記についてですが、これは令和6年(2024年)4月1日より施行され、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記申請が義務付けられました。遺産分割協議を経て取得した場合は、その成立日から3年以内が起算となります。正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。令和6年4月1日以前に発生した相続についても対象となり、施行日または相続を知った日から遅い方を起算点として3年以内、すなわち最長で令和9年(2027年)3月31日までに手続きを済ませる必要があります。 

対象起算日期限
新たな相続相続を知った日3年以内
遺産分割後取得協議成立日3年以内
義務化前の相続施行日または取得を知った日(遅い方)2027年3月31日まで

次に住所・氏名変更登記についてです。これは令和8年(2026年)4月1日から義務化され、登記簿上の住所または氏名に変更があった日から2年以内に登記を行わなければなりません。義務化前の変更でまだ手続きを済ませていない場合にも対象とされ、義務化開始後2年以内、すなわち令和10年(2028年)3月31日までに対応が必要です。期限を過ぎると、5万円以下の過料が科せられる可能性があります。ただし、法務局からの通知後に速やかに対応すれば過料は科されない場合もあるほか、重篤な事情には配慮されることもあります。

対象起算日期限
新たな変更変更日2年以内
義務化前の変更2028年3月31日まで

また、いずれの義務も過去に遡って適用される点が共通しています。相続登記については義務化施行前の相続も対象とされ、住所変更登記についても同様に義務化前の変更に対して猶予期間があります。早めに手続きを進めることで、過料リスクを回避し、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

具体的な手続きの流れと必要書類のポイント

相続登記と住所・氏名変更登記について、手続きの流れと必要書類をわかりやすく整理いたします。まず、相続登記ですが、相続人は「相続の開始並びに所有権取得を知った日から3年以内」に登記を申請する必要があります(令和6年4月1日施行)。また、すでに発生している相続についても、施行前の相続は「令和9年3月31日まで」に登記すれば義務を果たしたことになります。必要書類としては、被相続人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書(協議がある場合)、固定資産評価証明書、登記原因証明情報などが挙げられます。申請先は被相続人住所地を管轄する法務局です。

次に、住所や氏名が変わった場合の変更登記の流れですが、令和8年4月1日以降、変更があった日から2年以内に義務付けられます(正当な理由なく怠ると5万円以下の過料)。また、義務化以前の変更についても、令和10年3月31日までに変更登記を行えば問題ありません。必要書類は、現在の住民票や戸籍(氏名変更の場合)、固定資産評価証明書などです。登録免許税の目安はケースにより異なりますが、簡易な変更登記であるため高額にはなりません。

さらに、「検索用情報の申出(単独申出)」による仕組みもあります。令和7年4月21日から導入されたこの制度では、あらかじめ法務局へ自分の氏名、生年月日、住所などの情報を登録しておくことで、将来の住所変更時に法務局が職権で登記を更新してくれることがあります(スマート変更登記)。この制度を利用すると、本人の手間が大幅に軽減され、安心して変更義務に対応できます。

手続き内容概要ポイント
相続登記相続開始・所有権取得を知ってから3年以内(施行前相続は令和9年3月31日まで)戸籍謄本、住民票、評価証明書、遺産分割協議書(必要時)を準備
住所・氏名変更登記変更日から2年以内(義務化前の変更は令和10年3月31日まで)住民票や戸籍などで変更を証明、登録免許税はおおむね低額
検索用情報の申出(単独申出)令和7年4月21日から開始。事前登録により職権登記が可能生年月日や住所等を登録すれば、将来の変更対応が自動化

相続する不動産で対応すべきことと注意点まとめ

相続によって取得した不動産を確実に管理し、後のトラブルを避けるためには、以下の点に注意し、早めの対応が大切です。

対応すべきこと内容ポイント
登記簿の現状確認 登記事項証明書で名義・住所などの登録内容が最新か確認する 漏れや相違があると手続きが複雑化する可能性があります
早めの対応 義務化された相続登記や変更登記は、期限を過ぎると過料の対象になります 事前に相談すると円滑に進められます
相談先の活用 法務局や司法書士に相談することで適切な手続きが可能です 専門家の助言で不安を軽減できます

まず、不動産を相続された方は、登記事項証明書を取得し、名義人や住所が現状と一致しているかを確認してください。過去の相続が未登記だったり、住所が変更されているままだと、その後の相続や手続き全体が煩雑になりかねませんので、早めの確認が重要です。

また、2024年4月1日から相続登記が義務化され、「相続によって所有権を取得したことを知った日」から3年以内に登記しなければならず、それ以前の相続も対象となるため、2027年3月31日までに手続きが必要になります(遅い方の期限までに)
さらに、住所や氏名変更があった場合も、2026年4月1日以降は「変更日から2年以内」の登記が義務付けられ、以前の変更にも2028年3月31日までの猶予期間が設けられています。

このような制度が義務化されているため、放置しておくと思いがけず過料の対象となる場合があります。制度が施行された時期や期限を正しく把握し、余裕をもって対応されることをおすすめいたします。

手続きに不安がある場合は、まずお近くの法務局にご相談いただくか、登記手続きを専門とする司法書士にご相談ください。書類の準備や流れを丁寧にご案内いただけます。

まとめ

不動産を相続する際には、相続登記と住所変更登記の両方が義務化されています。これらの手続きを期限内に行うことで、余計なトラブルや罰則を避けることができます。また、登記簿の内容を確認し、現実と異なる場合は早めに対応することが大切です。手続きや必要書類に不安がある場合は、専門機関への相談も役立ちます。最新の制度を正しく理解し、余裕を持って対策を進めましょう。

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